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女髪結
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おんなかみゆい
ふりがな文庫
“
女髪結
(
おんなかみゆい
)” の例文
旧字:
女髮結
いまでは、そのあとに、
女髪結
(
おんなかみゆい
)
が越して来ましたが、夏になると、二階に蚊帳を釣って、
燈火
(
あかり
)
をつけて、毎晩のように花を引いています。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
空は
同一
(
おなじ
)
ほど長方形に屋根を抜いてあるので、雨も雪も
降込
(
ふりこ
)
むし、水が
溜
(
たま
)
つて
濡
(
ぬ
)
れて居るのに、以前
女髪結
(
おんなかみゆい
)
が住んで居て、
取散
(
とりちら
)
かした
元結
(
もっとい
)
が
化
(
な
)
つたといふ
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
このひと月ほど前から市中の
女髪結
(
おんなかみゆい
)
や風呂屋で、こんど大和屋が小鰭の鮨売の新作所作事を出すについて、ようすを変えて鮨売になり、市中を呼び売りして歩く。
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
御母
(
おっか
)
さんがあまり
可愛
(
かわい
)
がり過ぎて表へ遊びに出さないせいだと、出入りの
女髪結
(
おんなかみゆい
)
が評した事がある。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お君さんはその晩何事もなく、またあの
女髪結
(
おんなかみゆい
)
の二階へ帰って来たが、カッフェの女給仕をやめない限り、その
後
(
ご
)
も田中君と二人で遊びに出る事がないとは云えまい。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
お千代が娘のおたみを京橋区
新栄町
(
しんえいちょう
)
の
女髪結
(
おんなかみゆい
)
の
許
(
もと
)
にやったのは大正六年の秋、
海嘯
(
つなみ
)
の余波が深夜
築地
(
つきじ
)
から
木挽町辺
(
こびきちょうへん
)
まで押寄せた
頃
(
ころ
)
で、その時おたみは五ツになっていた。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
殊にひがみ根性の強い倉田屋の女房は、
平生
(
へいぜい
)
あれほど懇意にしていながら、あまりに人を踏みつけにした仕方であると云って非常にくやしがっていることは、出入りの
女髪結
(
おんなかみゆい
)
の口からも聞いている。
半七捕物帳:35 半七先生
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
金剛寺坂
(
こんごうじざか
)
の
笛熊
(
ふえくま
)
さんというのは、
女髪結
(
おんなかみゆい
)
の亭主で大工の本職を
放擲
(
うっちゃ
)
って
馬鹿囃子
(
ばかばやし
)
の笛ばかり吹いている男であった。
按摩
(
あんま
)
の
休斎
(
きゅうさい
)
は盲目ではないが生付いての
鳥目
(
とりめ
)
であった。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ではそのお君さんの趣味というのが、どんな種類のものかと思ったら、しばらくこの
賑
(
にぎや
)
かなカッフェを去って、近所の
露路
(
ろじ
)
の奥にある、ある
女髪結
(
おんなかみゆい
)
の二階を
覗
(
のぞ
)
いて見るが好い。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
表に
灰汁桶
(
あくおけ
)
の置かれてあるような
女髪結
(
おんなかみゆい
)
のうちがあった。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
養女にやった先は
女髪結
(
おんなかみゆい
)
の家であったが、その後は全く
音信不通
(
いんしんふつう
)
なので、娘が身の成行きは知られようはずがない。お千代は新聞紙上のおとみが、どうやら
理由
(
いわれ
)
なく娘のおたみであるような気がする。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
結
常用漢字
小4
部首:⽷
12画
“女髪”で始まる語句
女髪兼安
女髪