女給じょきゅう)” の例文
おもて二階を借りている伊東さんというカフェーの女給じょきゅう襟垢えりあか白粉おしろいとでべたべたになった素袷すあわせ寐衣ねまきに羽織をひっかけ、廊下から内をのぞいて
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ると、うすべにいろながいたもとの着物きものをきた女給じょきゅうさんが、ぱっちりしたをこちらへむけ、二人ふたりながら
はたらく二少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
謙作と洋服の男のテーブルを受持っていた女給じょきゅうは、急いで洋服の男のあとから追って往った。謙作はもしかすると今の女が、あの男の玉を盗んだと云う女優ではあるまいかと思った。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
梅田新道から客を送って大阪駅へ行く途中で、自動車が投げるヘッドライトの圏の中に、酔った足取りで女給じょきゅうらしい女に寄り添いながら歩いて行く奥畑の姿をちらととらえたことがあったので
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そうそう、その中には東京に出ている中川の息子の写真もあってよ。いつかあなたに教えて上げたでしょう。あのカフェの女給じょきゅうか何かと大学の中を歩いていた、——あいつも秀才でとおっているのよ。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
女給じょきゅう君江きみえは午後三時からその日は銀座通のカッフェーへ出ればよいので、いち本村町ほんむらちょうの貸間からぶらぶら堀端ほりばたを歩み見附外みつけそとから乗った乗合自動車を日比谷ひびやで下りた。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ちの女給じょきゅうさんに、そんをかけまいとおもってきたのです。」
世の中へ出る子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
わか女給じょきゅうの一人がひらひらとちょうのようにその前へやって来た。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)