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大和尚
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だいおしやう
出家のいふことでも、
教だの、
戒だの、
説法とばかりは
限らぬ、
若いの、
聞かつしやい、と
言て
語り
出した。
後で
聞くと
宗門名誉の
説教師で、
六明寺の
宗朝といふ
大和尚であつたさうな。
帳塲格子のうちに
此娘を
据へて
愛敬を
賣らすれば、
秤りの
目は
兎に
角勘定しらずの
若い
者など、
何がなしに
寄つて
大方毎夜十二
時を
聞くまで
店に
客のかげ
絶えたる
事なし、いそがしきは
大和尚