夜話よばなし)” の例文
近くの在所のつじあきなに、五六人の者が寄合って夜話よばなしをしている最中、からりとくぐり戸を開けて酒を買いにきた女が、よく見るとあの娘であった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それが、何と、あかるい月夜よ。明神様もけなりがッつろと、二十三夜の月待の夜話よばなしに、森へ下弦の月がかかるのを見て饒舌しゃべった。不埒ふらちを働いてから十五年。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
友人いうじんいはく、我がしたしき者となり村へ夜話よばなしゆきたるかへるさ、みちかたはら茶鐺ちやがまありしが、頃しも夏の事也しゆゑ、農業のうげふの人の置忘おきわすれたるならん、さるにてもはらあしきものはひろかくさん
昔から諸国にんな例も沢山あったのだろうが、ただの一地方の夜話よばなしに残るだけで、識者しきしゃが研究の材料にはのぼらなかったのだ。いや、ういう例について、もっと面白い話が有る。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)