夜行やこう)” の例文
かあさんの達者たっしゃのことがわかったうえは、いまからすぐに夜行やこうって、東京とうきょうへゆくことにしようと、真吉しんきちは、おもいました。
真吉とお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
と——やがて約束のこくごろ、浜辺はまべのほうから、百夜行やこう八幡船ばはんせんの黒々とした一列が、松明たいまつももたずに、シトシトと足音そろえて、ここへさしてくる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たゞ軒下のきしたゆきかよふ夜行やこう巡査じゆんさ靴音くつおとのみたかかりき。
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きよは、その夜行やこうつことになりました。つねなら、はじめて田舎いなかかえるのでたのしかろうものを、しずんでいるかおつきをると、かわいそうでなりませんでした。
北風にたこは上がる (新字新仮名) / 小川未明(著)
夜行やこうでたった、きよからは、くとすぐに手紙てがみがまいりました。
雪の降った日 (新字新仮名) / 小川未明(著)