外道げだう)” の例文
自然主義以上にその当時を動かしたものであつたに相違なかつた、外道げだうと呼ばれ、阿蘭陀西鶴と呼ばれたのも無理はなかつた。
西鶴小論 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
露伴子ろはんしはその著當世外道げだうの面に於いて、柔弱者の口をりて我に戲れていはく。鴎外は技術論者にして、たゞ學校教師たるに適すと。是言このげんわがへいあたれり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
何故と申し候はば、貴殿平生の行状誠に面白からず、別して、私始め村方の者の神仏を拝み候を、悪魔外道げだうかれたる所行なりなど、しばしば誹謗ひぼう致され候由、しかと承り居り候。
尾形了斎覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
外道げだう。勿論我々はそれまでゐて見るわけには行かない。併し兎に角それが気の毒でせうか。
好的々々よし/\が昔の恋人を血膾ちなますにして、なれと共に杯を傾けむ。外道げだう至極の楽しみ、これに過ぎしと打笑ひつゝ起上りしが、遂に妾が計略に掛かりて、今の仕儀となり果て終りしものに侍り。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
どうせ無獨得むどくとくの淺薄者流ばかりだから、下らないことに笑はせられたりするので、外道げだう禪などは催眠術にも似てゐようが、達磨だるま禪、圓頓最上乘ゑんとんさいじやうじようの禪はさうではないなど云はれて嬉しがつた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
前の人の詞は一二語を辨別することを得たるが、その人はフランス人なりしものゝ如し。無論女子にはあらざりき。外道げだうと叫び、馬鹿と叫びしを辨別したるなり。後の人は外国人なりしが如し。
洋行といふものは色々の事を教へて呉れるもので、東大の姉崎博士など、日本に居る頃は芝居を外道げだうのやうに言つてゐたが、独逸から帰つて来ると、劇は宗教と同じく神聖なものだと言ひ出して来た。
のがれよ、早も邪宗門じやしゆうもん外道げだうをしへ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
魔界外道げだうの谷はここ……
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
判らねえ外道げだうだな。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
然しまた外道げだう禪もしくは病氣治療的手段にばかり落ちたところもある。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
されどもわれ、つひに此の外道げだうの惑ひを免るゝ能はず。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
みにくい外道げだう
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
魔界外道げだう
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)