)” の例文
『ああ、いい塩梅あんばいちやがつた。自分じぶん眼玉めだまふなんて阿呆あほうがどこにゐる。ペンペの邪魔じやまさえゐなけりや、もうあとはをれのものだ。』
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
隱し念佛の亡者にならうとして居るんだぜ——お藏念佛の新發意しんぼちになつたら最後、切支丹の方からは破門で、眞つ逆樣に地獄にちると思ひ込んだことだらう。
そんなはなし最中さいちうにサァーツとおとをたてゝうるしのやうにくらそらはうから、直逆まつさかさまにこれはまた一からすがパチパチえてる篝火かがりびなかちてきた。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
ラランはいつものやうに、カラカラとわらつた。五千メートル。いつもならこのへんるまでにつかれてちてしまうはづなのに、今度こんど莫迦ばか調子てうしがいい。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)