執行しゅぎょう)” の例文
すなはち翌延宝六年戊午つちのえうま二月二十一日の吉辰きっしんぼくして往生講式七門の説法を講じ、浄土三部経を読誦どくじゅして七日に亘る大供養大施餓鬼だいせがき執行しゅぎょうす。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
やがて、法勝寺執行しゅぎょう俊寛、丹波少将成経、平判官康頼の三人は、清盛の命令で薩摩潟さつまがた鬼界ヶ島きかいがしまに流されることになった。
しかし高平太はにくむばかりか、内心おれを恐れている。おれはさき法勝寺ほっしょうじ執行しゅぎょうじゃ。兵仗へいじょうの道は知る筈がない。が、天下は思いのほか、おれの議論に応ずるかも知れぬ。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
たとえば今の日本政府にていえば、大蔵の官吏、必ずしも経済学を執行しゅぎょうしたる者に非ず、文部の官吏、必ずしも教育論を研究したるに非ざるも、その実際に事のあがるは今日の如し。
経世の学、また講究すべし (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
有王 わしはみやこから来た者だが、(俊寛、都と聞いて驚いて有王を見る)この島に法勝寺ほっしょうじ執行しゅぎょう俊寛僧都そうずと申す方が十年前よりお渡りになっているはずだが、もしやご存じあるまいか。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
四条五条の橋の上にて大施餓鬼せがき執行しゅぎょうせしめられましたところ、公儀よりは一紙半銭の御喜捨もなく、ついえはことごとく僧徒衆の肩にかかり、相国寺のみにても二百貫文を背負い込んだとやら。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
「——近江おうみの中将蓮浄れんじょうどの、法勝寺ほっしょうじ執行しゅぎょう俊寛僧都しゅんかんそうず山城守基兼やましろのかみもとかねどの、式部大輔正綱しきぶだいふまさつなどの、平判官康頼へいほうがんやすよりどの、また、新判官資行しんほうがんすけゆきどのを始めとして、かく申す右衛門尉うえもんのじょう、ならびに、蔵人行綱くろうどゆきつな
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もしや、このあたりに都から流された法勝寺ほっしょうじ執行しゅぎょう、俊寛僧都のお行方、ご存じありませぬか?」
四条五条の橋の上にて大施餓鬼せがき執行しゅぎょうせしめられましたところ、公儀よりは一紙半銭の御喜捨もなく、ついえはことごとく僧徒衆の肩にかかり、相国寺のみにても二百貫文を背負ひ込んだとやら。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
ただに今日、熱中奔走する者のみならず、内外に執行しゅぎょうする書生にいたるまでも、法律を学ぶ者は司法省をねらい、経済学に志す者は大蔵省を目的とし、工学を勉強するは工部に入らんがためなり。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)