“土鉢”の読み方と例文
読み方割合
どばち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は買って帰って、土鉢どばちに少しばかり庭の土を入れて、それを埋めて書斎に置いた。
サフラン (新字新仮名) / 森鴎外(著)
杜若かきつばた一年ひととせうゑたが、あのむらさきのおいらんは、素人手しろうとであかとりぐらゐなところではつぎとしかうとしない。ばかりのこして駈落かけおちをした、どろのまゝの土鉢どばちがある。……それうつして、ふたをした。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「本当に彼女あのこはちっともさっぱりした所がない、いやに執念しゅうねいな人だよ」と夫人は常にののしりぬ。ああ土鉢どばちに植えても、高麗交趾こうらいこうちの鉢に植えても、花は花なり、いずれか日の光を待たざるべき。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)