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噉
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く
ふりがな文庫
“
噉
(
く
)” の例文
海に二つの竜現われ青赤
噉
(
く
)
い合い戦うて一時ばかりして青竜負けて逃ぐ、その夜そこに宿り明日見れば昨と同時にまた戦うて青竜敗走した
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
なんでも、僕の聴き取った所では、心が動いてはならぬ、動けば
隙
(
すき
)
を生ずる、隙を生ずれば乗ぜられると云うような事であった。石原は虎が酔人を
噉
(
く
)
わぬと云う
譬
(
たとえ
)
を引いた。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
折角
啣
(
くわ
)
えた大きな鴨をこれから
噉
(
く
)
おうとして
涎
(
よだれ
)
まで出したところを取上げられて終った犬のような位置に立たせられたのである。関白はじめ諸大将等が帰って終って見ると何とかしたい。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
噉
(
く
)
らわぬ清僧の念仏と、
朝夕
(
ちょうせき
)
に、妻子の恩愛には惑い、酒肉や
五辛
(
ごしん
)
の
物味
(
ぶつみ
)
にわずかな慰安をむさぼっている吾々のような不浄の口でいう念仏とは、どうしても、差があるように思われますが
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜叉は手にした死骸の頭を大きな赤い口へ持って往ってむしゃむしゃと
噉
(
く
)
いだした。その噉う
容
(
さま
)
が瓜でも噉うようであった。大異はまた驚いて眼を瞠ったが、すぐその後から嘲笑が浮んできた。
太虚司法伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
これは王が、虎に
噉
(
く
)
われ掛かる処を救うた愛犬を埋めた場所という(バルフォールの『印度事彙』三版三巻四九〇頁)。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
これを証真寺というは、疑獄の真偽を
糾
(
ただ
)
さんため本人を池に投ずるに、その言真なれば鱷これを
免
(
ゆる
)
し偽なれば必ず噉う。偽言の輩僧に賄賂して
呪
(
まじない
)
もて鱷を制し
己
(
おのれ
)
を
噉
(
く
)
わざらしむと。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
大虫
樵人
(
きこり
)
に向い汝いかにするも樹上に永く
住
(
とどま
)
り得じその熊を
撞
(
つ
)
き落せ我
噉
(
く
)
うて去らんと言う、
樵夫
(
きこり
)
もっともと同じて恩を忘れ熊を落して大虫に啖わせたがそれから発狂した、熊は仏の前身
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
いまだ
噉
(
く
)
うを得ず、奴戸に当り
倚
(
よ
)
って弓を張り
箭
(
や
)
を挟み刀を抜く、然、盤中の肉飯を以て狗に与うるに狗噉わず、ただ
睛
(
ひとみ
)
を注ぎ唇を
舐
(
ねぶ
)
り奴を
視
(
み
)
る、然、またこれを覚る、奴食を催す
転
(
うた
)
た急なり、然
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
噉
部首:⼝
15画
“噉”を含む語句
噉食
下噉
噉尽
噉相
噉肉
噉肉外道
噉肉蓄妻
牛噉
虫噉