トップ
>
嘘吐
>
うそつ
ふりがな文庫
“
嘘吐
(
うそつ
)” の例文
「それ見ろ、馬鹿七の
嘘吐
(
うそつ
)
き! 何も出やしないぢやないか。」といつて智慧蔵が大声で呶鳴りました時、向ふの大きな
樟
(
くす
)
の木の
蔭
(
かげ
)
から
馬鹿七
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
「だってこの前もその前も買ってやるっていったじゃないの。
小父
(
おじ
)
さんの方があの玉子を出す人よりよっぽど
嘘吐
(
うそつ
)
きじゃないか」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
男つて
嘘吐
(
うそつ
)
きよ。女を口の先でまるめて、自分の
境界
(
きやうがい
)
はちやんとしておくのね。私を、こんなところへ連れて来て、思ひ知らせるなンてひどいわ。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
嘘吐
(
うそつ
)
きで、お人好しで、人に瞞されやすく、自分の行為に、善悪の識別というものを持たない。
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ルピック夫人(右手を振り上げ、
崩
(
くず
)
れかかる)——お前の
嘘吐
(
うそつ
)
きなことは百も承知だ。しかし、これほどまでとは思ってなかった。嘘の上へまた嘘だ。どこまででも行くさ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
銀子は
頷
(
うなず
)
いていたが、やっぱり自分も大胆な
嘘吐
(
うそつ
)
きなのかしらと、空恐ろしくもあった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
エデンに
嘘吐
(
うそつ
)
きの
蛇
(
じや
)
と、
騙
(
だま
)
され
易
(
やす
)
い女とが居るやうに、日本にもこの二つがざらに居るから、この意味で
楽園
(
エデン
)
だといふのに異議は無いが、景色はさう/\自慢する程のものではない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さうして私のことを口さがもなき身の程知らぬ
嘘吐
(
うそつ
)
きだと苦々しく思はれるに違ひありません。——さう思はれても全く仕方がありません。別に私は弁解しようなんて心は起しません。
青白き公園
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「人間は生れつき
嘘吐
(
うそつ
)
きである」、とラ・ブリュイエールはいった。
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
「貝、おれがそのような
嘘吐
(
うそつ
)
きに見えるか。」
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「
嘘吐
(
うそつ
)
きゃあがれ!」
仮装観桜会
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「
嘘吐
(
うそつ
)
きやがれ」
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
つまり戦争が正直な
二人
(
ふたり
)
を
嘘吐
(
うそつ
)
きにしたのだといわなければならない。
戦争からきた行き違い
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
嘘吐
(
うそつ
)
き! こんな月夜の晩に夜釣りがあって堪るものか。」
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
「ぢや
私
(
あたい
)
のお父ちやん
嘘吐
(
うそつ
)
きだ。私を
瞞
(
だま
)
したんだ。」
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
役人に
嘘吐
(
うそつ
)
きが多いやうに
瓜哇
(
ジヤワ
)
人には魔法使が多い。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
決して口に出して云はぬ稀大の
嘘吐
(
うそつ
)
きである。要心せよ。
南風譜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
嘘
漢検準1級
部首:⼝
14画
吐
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“嘘吐”で始まる語句
嘘吐者