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嘉十
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かじふ
「こいづば
鹿さ
呉でやべか。それ、
鹿、
来て
喰」と
嘉十はひとりごとのやうに
言つて、それをうめばちさうの
白い
花の
下に
置きました。
ところが
少し
行つたとき、
嘉十はさつきのやすんだところに、
手拭を
忘れて
来たのに
気がつきましたので、
急いでまた
引つ
返しました。
はあと
嘉十もこつちでその
立派な
太陽とはんのきを
拝みました。
右から三ばん
目の
鹿は
首をせはしくあげたり
下げたりしてうたひました。