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呀
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やあ
呀?
衣も
扱帶も
上へ
摺つて、するりと
白い
顏が
襟に
埋つた、
紫と
萌黄の、
緋を
流るゝやうに
宙に
掛けて、
紳士は
大跨にづかり/\。
「
状あ! 女郎
奴、
手前に嫌われて
幸だ。好かれて
堪るかい。」と笹を持ったのが、ぐいとその
棹を小脇に引くと、
呀、斜に構えて前に廻った。
ト
荒果てたが、書院づくりの、
床の
傍に、あり/\と
彩色の残つた絵の
袋戸の入つた棚の上に、
呀! 壁を
突通して
紺青の
浪あつて月の輝く如き、表紙の
揃つた