トップ
>
吾児
>
わがこ
ふりがな文庫
“
吾児
(
わがこ
)” の例文
その日は
河内家
(
かはちや
)
の
総見
(
そうけん
)
があつたので、肝腎の
阿
(
お
)
つ
母
(
かあ
)
は皆と一緒に場に坐つて、
惚々
(
ほれ/″\
)
と
吾児
(
わがこ
)
の芸に見とれて、夢中になつてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そうして今一度、
吾児
(
わがこ
)
の血を吸い込んだであろう足の下の、砂利の間の薄暗がりを、一つ一つに
覗
(
のぞ
)
き込みつつ凝視した。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
側に居たお種は
吾児
(
わがこ
)
を励ますように言って、思わず両手で顔を
掩
(
おお
)
うた。次の部屋には、幸作が坐って、頭を垂れていた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それから自分自身は
跡片付
(
あとかたづけ
)
を済ますと大急ぎで支度を整えて、
吾児
(
わがこ
)
の跡を
逐
(
お
)
うようにして学校へ出かけるのであったが、それがいつも遅れ勝ちだったので
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
こういう弟の話を、お種は直に
吾児
(
わがこ
)
の方へ持って行った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
何よりも第一に、そんな恐ろしい
申伝
(
もうしつた
)
えのある品物を、かけ換えのない
吾児
(
わがこ
)
に渡すような無慈悲な母親が、この世に在ろうとは思われぬので御座いますが
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
とお種は
健気
(
けなげ
)
にも、
吾児
(
わがこ
)
を励ますように言う。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
……けれどもこうして
吾児
(
わがこ
)
というものが出来て見ますと、つくづくあの絵巻物の恐ろしさがわかって来ました。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ツイこの
間
(
あいだ
)
まで立ち働らいていた妻の病み
窶
(
やつ
)
れた姿や、現在、先に帰って待っているであろう
吾児
(
わがこ
)
の元気のいい姿を、それからそれへと眼の前に
彷彿
(
ほうふつ
)
させるのであった。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
可愛い
吾児
(
わがこ
)
の行末までも。生きて甲斐ない一人のために。棄てて介抱するのが道理か。人に迷惑かけないうちに。患者もろとも首でも
縊
(
くく
)
って。一家揃うて死ぬのが道かや。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何をいうにも内地から
遥々
(
はるばる
)
の海上を吾輩が自身に
水先案内
(
パイロテージ
)
して、それぞれの漁場に居付かせてやった、
吾児
(
わがこ
)
同然の荒くれ漁師どもだ。その可愛さといったら何ともいえない。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
こうなると
吾児
(
わがこ
)
の幸福なぞは問題でない。吾児以外の誰でもいい。
能とは何か
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
吾
漢検準1級
部首:⼝
7画
児
常用漢字
小4
部首:⼉
7画
“吾”で始まる語句
吾
吾人
吾家
吾々
吾妻橋
吾妻
吾儕
吾輩
吾子
吾等