吹掛ふっか)” の例文
懐の雪踏がすべっておちると、間の悪い時には悪いもので、の喧嘩でも吹掛ふっかけて、此の勘定を持たせようと思っている悪浪人わるろうにんの一人が
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
敵が圧迫して来れば何時いつでも相手になる。こっちから喧嘩を吹掛ふっかけるのはよろしくないが、吹掛けて来れば相手になる。偉大漢いだいかんでも相手にする。
始業式に臨みて (新字新仮名) / 大隈重信(著)
されば本業の小説も近頃は廃絶の形にて本屋よりの催促断りやうも無之これなきまま一字金一円と大きく吹掛ふっかけを
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ざアー/\どうと雨は車軸を流すように降り出し、風は烈しく吹掛ふっかけてどう/\/\と浪を打ち揚げます。
かえって人通りのない処がよいというので、是から本郷山を抜け、塚前村へ掛りました時分は、もう日が暮れかゝり、又吹掛ふっかぶりに雨がざア/\と降って来ましたから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もうぼんやり人顔ひとがおが見える様に成って来るが、この霙の吹掛ふっかけでぱったりと往来は止まってるが、今にも渡しがいて、渡しを渡って此処こゝへ来る者が有れば、何でも三人だと
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と御前の座敷へ踏込ふみこみ、何やら難題を吹掛ふっかけましたので、松平の殿様も弱り果て
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
尼「吹掛ふっかりですから其処そこに立ってお出でゞはさぞお困りでございましょう、すぐ前に井戸もありまするから足を洗って此方こちらあがって、お茶でも飲みながら雨止をなすっていらっしゃいまし」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)