吐氣はきけ)” の例文
新字:吐気
惚れ拔いて、金も見識も、見榮も命も要らなくなつた男の、世にも淺ましい見本を見せられるやうな氣がして、吐氣はきけを催すやうな胸の惡さを覺えたのです。
銭形平次捕物控:315 毒矢 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
はじかれ寒氣さむけおぼえ、吐氣はきけもよほして、異樣いやう心地惡こゝちあしさが指先ゆびさきまで染渡しみわたると、なにからあたま突上つきあげてる、さうしてみゝおほかぶさるやうながする。あをひかり閃付ちらつく。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)