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叨
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みだ
ふりがな文庫
“
叨
(
みだ
)” の例文
一家
戒慎
(
かいしん
)
して室を
浄
(
きよ
)
め、
叨
(
みだ
)
りに人を近づけず、しかも出入
坐臥
(
ざが
)
飲食ともに、音もなく目にも触れなかったことは、他の多くの尊い神々も同じであった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
世には大早計にも之を以て詩人の唯一の題目なる可しと心得て、
叨
(
みだ
)
りに所謂高蹈的思想なるものを攻撃せんとする傾きあるは、
豈
(
あ
)
に歎息すべき至りならずや。
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
幼なかりしころより
叨
(
みだ
)
りに他人に
親
(
したし
)
まず、いはゆる人みしりをせしが、親しくゆきかよへる人などにはいと打解けてませたる世辞などいひしと
叔母
(
おば
)
なる人常にの給ひき。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
是非曲直
軽
(
かろ/″\
)
しく判し難し。
如
(
し
)
かず修練鍛磨して
叨
(
みだ
)
りに他人の非を測らざることをつとむるに。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
「……一門の
茅屋
(
ばうをく
)
一
瓢
(
ぺう
)
あり、三尺の雄刀七尺の身、憂国
叨
(
みだ
)
りに招く衆人の
謗
(
そし
)
り……」
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
から、何事につけても、
己
(
おのれ
)
一人
(
いちにん
)
をのみ責めて
敢
(
あえ
)
て
叨
(
みだ
)
りにお勢を
尤
(
とが
)
めなかッた。が、如何に
贔負眼
(
ひいきめ
)
にみても、文三の既に得た
所謂
(
いわゆる
)
識認というものをお勢が得ているとはどうしても見えない。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
是非曲直
軽
(
かろ/″\
)
しく
判
(
はん
)
し難し。
如
(
し
)
かず、修練鍛磨して
叨
(
みだ
)
りに他人の非を測らざることをつとむるに。
山庵雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
それからこういう人たちは手引のために、眼の見える娘を育てて使ったが、それは奉公人と同じで、
年頃
(
としごろ
)
になれば縁に付け、是にも絶対に
叨
(
みだ
)
らな行儀は無かったと
謂
(
い
)
っている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
僧徒らしい気分などは
微塵
(
みじん
)
もなく、ただ非凡なる怪力と強烈なる感情、極端に清浄を愛して
叨
(
みだ
)
りに俗衆の近づくを憎み、ことに隠形自在にして
恩讎
(
おんしゅう
)
ともに常人の意表に出でた故に
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
叨
(
みだ
)
りに東洋の思想に執着するも愚なり、叨りに西洋思想に心酔するも癡なり、奔流
急湍
(
きふたん
)
に舟を
行
(
や
)
るは難し、然れども舟師は能く富士川を下りて、船客の心を安うす、富士川を下るは難し
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
叨
(
みだ
)
りに自利自営を教へ、己れ無学無識を以て自ら甘んじながら、人に勧誘するところ「学問」を退ぞけ、聖経のみを奉ぜよと謂ひて、以て我が学問界以外の小人に結ばんとし、己れ文学美術の趣味
各人心宮内の秘宮
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
叨
漢検1級
部首:⼝
5画