古井ふるゐ)” の例文
あかるきよりくらきにところくらきよりあかるきにづるところいしひ、たけひ、まがきち、たゝずみ、馬蘭ばらんなかの、古井ふるゐわきに、むらさきおもかげなきはあらず。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あやまちて野中の古井ふるゐに落ちたる人の、沈みも果てず、あがりも得為えせず、命の綱とあやふくも取縋とりすがりたる草の根を、ねずみきたりてむにふと云へる比喩たとへ最能いとよく似たり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
古井ふるゐあり、けたはみなくづれゆがみて
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
古井ふるゐのかげよ今日けふはまた
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
苔の花さく古井ふるゐ
信姫 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)