取払とりはら)” の例文
旧字:取拂
じつはね。」とおとよは同じ言葉を繰返くりかへして、「駒込こまごめのお寺が市区改正しくかいせい取払とりはらひになるんだとさ。 ...
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それから変事が続きてすまいきれず、売物に出したのをある者がかいうけ、その土蔵を取払とりはらって家を建直たてなおしたのだが、いまだに時々不思議な事があるので、何代かわっても長く住む者が無いとの事である。
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
一方の川のはしは材木の置場である、何でも人の噂によると、その当時取払とりはらいになった、伝馬町でんまちょうの牢屋敷の木口きくち此処ここへ持って来たとの事で、中には血痕のある木片きぎれなども見た人があるとのはなしであった
白い蝶 (新字新仮名) / 岡田三郎助(著)
丁度ちやうど来かゝる川端かはゞたには、水練場すゐれんば板小屋いたごや取払とりはらはれて、やなぎ木蔭こかげに人がつりをしてゐる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)