厚手あつで)” の例文
陶器師とうきしは、おそって御殿ごてんがりました。それから、その有名ゆうめい陶器師とうきしは、厚手あつでちゃわんをつく普通ふつう職人しょくにんになったということです。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
こういいたげにやや厚手あつでの、それでいて醜くない立派な口、金持ちの証拠に耳たぶが厚く、詩人的気禀きひんがあるからであろう、額が広く光がある。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「すべて陶器とうきは、かるい、薄手うすでのをたっとびます。ちゃわんのおもい、厚手あつでのは、まことにひんのないものでございます。」と、役人やくにんはおこたえしました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこから白湯さゆを汲み出しては、桜の花をポッチリ落とし、それを厚手あつでの茶碗などへ入れて、お客の前へ持って来る。持って来る茶屋女が仇者あだものであって、この土地の名物である。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)