南京米なんきんまい)” の例文
というのは監獄のはいわゆる四めしとかで南京米なんきんまいが四割入っているようだが、部落には白い米などはただの一粒もなかったからである。
れまあ、勘次等かんじらにもまねえつちつてつところさ、わし洪水みづでねえ」おつたは風呂敷ふろしき南京米なんきんまいふくろをきりつとつゝんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたくしは南京米なんきんまいをごしごしとぎながら、無花果の枯葉を眺め、飽き果てし身に似たりけり……と口ずさんだが、後の五字に行詰ゆきづまってそのまましてしまった。
枯葉の記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
うむ、そんなら貴樣きさまがこないだ途中とちうで、南京米なんきんまいをぬきつたのを巡査じゆんさげるがいいかとふんです
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
小麦粉ばかりでありません。お米もその通りで日本のお米は御存知の通り糊精分が多くって大層粘着力があります。俗に南京米なんきんまいという外国の米は粘着力がなくってポソポソします。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「はい/\、支那の人は南京米なんきんまいを日本一だと申しますよ」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
子供らは冬の寒中に、南京米なんきんまい麻袋あさぶくろ這入はいってふるえていることさえあった。