かう)” の例文
長ずる所は精整緻密せいせいちみつ、石をゑがいて一細草いちさいさう点綴てんていを忘れざるかうにあり。句に短なりしは当然ならずや。牛門ぎうもんの秀才鏡花きやうくわ氏の句品くひん遙に師翁しをうの上に出づるも、またこの理に外ならざるのみ。
はたしてさるゑないでる。もういまでは余程よつぽど年紀としであらう。すりや、さるのぢいさんだ。道理だうりで、かうた、ものゝわかつたやうな、そしてまじめで、けろりとした、めうかほをしてるんだ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)