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刻薄
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こくはく
ふりがな文庫
“
刻薄
(
こくはく
)” の例文
そうして小鼻がちんまりとしている。さぞ舞台でも横顔が、
際立
(
きわだ
)
って美しい事だろう。口は薄手で大型である。で何んとなく
刻薄
(
こくはく
)
に見える。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼はこの間話し合った伝熱作用のことを思い出した。血の中に宿っている生命の熱は宮本の教えた法則通り、一分一厘の狂いもなしに
刻薄
(
こくはく
)
に線路へ伝わっている。
寒さ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
刻薄
(
こくはく
)
な性格の持主で、店子や借地人からは評判が宜しくない方、一部では亭主の勝藏を引き摺り廻して、此内儀が老木屋の采配を振るつて居るのだといふ噂もあります。
銭形平次捕物控:257 凧糸の謎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
かと云って、単なる痴情の殺人にしては、余り考え過ぎている。この事件の蔭には、非常にかしこい、熟練な、しかも、残忍
刻薄
(
こくはく
)
な奴が隠れている。並々の
手際
(
てぎわ
)
ではないよ
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
洪州の
州学正
(
しゅうがくせい
)
を勤めている
張
(
ちょう
)
という男は、元来
刻薄
(
こくはく
)
の生まれ付きである上に、年を取るに連れてそれがいよいよ激しくなって、生徒が休暇をくれろと願っても容易に許さない。
中国怪奇小説集:11 異聞総録・其他(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
然りと雖も、小人の
過
(
あやまち
)
や
刻薄
(
こくはく
)
、長者の
過
(
あやまち
)
や
寛厚
(
かんこう
)
、帝の過を
観
(
み
)
て帝の人となりを知るべし。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
利を
射
(
い
)
り、名を
貪
(
むさぼ
)
り、犯すべからざるの不品行を犯し、忍ぶべからざるの
刻薄
(
こくはく
)
を忍び、古代の
縄墨
(
じょうぼく
)
をもって
糺
(
ただ
)
すときは、父子君臣、夫婦長幼の大倫も、あるいは
明
(
めい
)
を失して危きが如くなるも
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その眼と眼の間あたりに漂っている
刻薄
(
こくはく
)
な表情を眺めながら、私は、いつか講談か何かで読んだことのある「終りを全うしない相」とは、こういうのを指すのではないか、と考えたことだった。
虎狩
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
刻薄
(
こくはく
)
の現実はどこまでも刻薄であれよ。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
が、運命は飽くまでも、田岡甚太夫に
刻薄
(
こくはく
)
であった。彼の病は
重
(
おも
)
りに重って、
蘭袋
(
らんたい
)
の薬を貰ってから、まだ十日と経たない内に、今日か明日かと云う
容態
(
ようだい
)
になった。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こう云う自分たちの笑い声がどれほど善良な毛利先生につらかったか、——現に自分ですら
今日
(
きょう
)
その
刻薄
(
こくはく
)
な響を想起すると、思わず耳を
蔽
(
おお
)
いたくなる事は
一再
(
いっさい
)
でない。
毛利先生
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
或友人は森先生の詩歌に不満を洩らした僕の文章を読み、僕は感情的に森先生に
刻薄
(
こくはく
)
であると云ふ非難を下した。僕は少くとも意識的には森先生に敵意などは持つてゐない。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“刻薄”の意味
《名詞》
刻薄(こくはく)
むごたらしく薄情なこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
“刻薄”で始まる語句
刻薄無殘