刀剣とうけん)” の例文
旧字:刀劍
四十面相が化けた古道具屋のおやじは、大きな仏像や、古いよろいや、人形や、刀剣とうけんなどにかこまれて、れいの小机の前に腰かけ、電話の受話器を耳にあてていました。
怪奇四十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
女像によざうにして、もし、弓矢ゆみやり、刀剣とうけんすとせむか、いや、こし踏張ふんばり、片膝かたひざおしはだけて身搆みがまへてるやうにて姿すがたはなはだとゝのはず、はうまことならば、ゆかしさはなかる。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
して流行の縞模様など考えて見たこともない程の不風流ぶふうりゅうなれども、何か私に得意があるかと云えば、刀剣とうけんこしらえとなれば、れはく出来たとか、小道具の作柄さくがら釣合つりあい如何どうとか云うかんがえはある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
よしありげな刀剣とうけん甲冑かっちゅう、置き物、手箱の類、びょうぶ、掛け軸などが、ところせましとならんでいるいっぽうのすみに、高さ一メートル半ほどの、長方形のガラス箱が立っていて、その中に
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)