凄寥せいれう)” の例文
けだしこの壁際の恐るべき有様に対しつゝそを読まば、ロンドンの宮廷劇場にアービングが演ずる神技を見んよりも、一層其凄寥せいれうの趣を知るに近からむなり。袖口のりきれたる羽織あり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ぼく今日けふまでんな凄寥せいれうたる光景くわうけい出遇であつたことはない。あししたから灰色はひいろくもたちまあらはれ、たちまえる。草原くさはらをわたるかぜものすごくつてみゝかすめる、くも絶間絶間たえま/\からえるもの山又山やままたやま
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)