其間そのあいだ)” の例文
其間そのあいだに村人の話を聞くと、大紙房と小紙房との村境むらざかいに一間の空家あきやがあつて十数年来たれも住まぬ。それは『』がたたりす為だと云ふ。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
此毛は実は白髪しらがですぜ白髪を此様に染めたのですぜ、染てから一週間も経つと見え其間そのあいだに五厘ばかり延びてコレ根の方は延びた丈け又白髪に成て居ます(荻)成る程白髪だ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
菓子器と歌留多かるたの箱があったので叮嚀に何れも蓋を取て中をしらべ、やがてもとのようにすると、押入を開けて本箱の中から数冊の書籍や前年度の日記を撰り出して精密に調べ始めた、其間そのあいだに渡邊は
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
其間そのあいだも彼は山椿の枝を放さなかった。紅いつぼみくに砕けてしまったが、恋しき女の魂魄たましいが宿れるもののように、彼はの枯枝を大事に抱えていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
其間そのあいだにも酒や博奕ばくちや女狂いや、悪い道楽は何でも為尽しつくした。うなると、二人が仲にも温かい春の続こう筈はない。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あるいは偶然かも知れぬが、其間そのあいだに何かの関係が有るらしくも思われるので、人々は自ずとのお杉を忌みかつ恐るるようになった。で、お杉は山𤢖を手先につかうとも伝えられた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)