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兩掛
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りやうが
翌日は
別當の
好意で、
玄竹は
藥箱を
葵の
紋の
附いた
兩掛けに
納め、『
多田院御用』の
札を、
兩掛けの
前の
方の
蓋に
立てて
貰つた。
さうして
下男には、
菱形の四
角へ『
多』の
字の
合印しの
附いた
法被を
着せてくれた。
兩掛けの一
方には
藥箱を
納め、
他の一
方には
土産物が
入つてゐた。
‥‥さうして
葵の
紋の
附いた
兩掛けに
目禮して、
片脇へ
寄つてゐなければならなかつた。