わたし)” の例文
わたしはおかしい所へ行ったの、どこおかしい所ッて、写真さ、撮影とって来たのお見せなと云えば、まだ来ないワ先のがあったか知らんと紙入を取出し
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
縦令たとへ旦那様だんなさま馴染なじみの女のおびに、百きんなげうたるゝともわたしおびに百五十きんをはずみたまはゞ、差引さしひき何のいとふ所もなき訳也わけなり
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
あなた御飯はと小歌が尋ぬるに、まだと貞之進が云えば、何になさいます鳥になさいな今の内ですからといって、わたしが食べる人のようだと婢を看返れば
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
お前さんのは其処そこにお葉漬はづけかありますよ、これはわたしわたしのおあしで買つたのですと天丼てんどんかゝ候如そろごときはあへて社会下流かりうの事のみともかぎられぬ形勢けいせいそろ内職ないしよく人心じんしん
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
わたしは名札は嫌いといったのから見れば、一本に成てまだ間のない歌ちゃんなることが知られた。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
良人やどわたしとしの十いくつも違ふのですもの、永く役に立つやうにして置かねばと何でも無しの挨拶あいさつに、流石さすがおせつかいの老婢ばあやもそれはそれはで引下ひきさがつたさうだ此処迄こゝまで来ればうらみは無い。
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)