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僥倖
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さいわい
ふりがな文庫
“
僥倖
(
さいわい
)” の例文
僥倖
(
さいわい
)
に、白昼の出水だったから、男女に死人はない。二階家はそのままで、辛うじて
凌
(
しの
)
いだが、平屋はほとんど濁流の瀬に洗われた。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
刃物
(
きれもの
)
も悪かったか横に
殺
(
そ
)
いだぐれえだから
心配
(
しんぺえ
)
はねえ、
浅傷
(
あさで
)
だったは
勿怪
(
もっけ
)
の
僥倖
(
さいわい
)
、
何
(
なん
)
にしても此処に居ちゃアいけねえから、早く船へお乗んなせえ。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
外記も夜道を忍んで時どきに逢いに来たが、箕輪田圃で蛍を追う子供たちにも怪しまれないのは
僥倖
(
さいわい
)
であった。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
また、その前後、二、三度影を見かけた肩幅の広い覆面も、二人には常から解けない疑問でありましたが、計らずも、重ねてここで
打
(
ぶ
)
つかッたのは、願ってもない
僥倖
(
さいわい
)
です。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こはかの悪僕八蔵が、泰助に尾し来りて、十分油断したるを計り、
狙撃
(
ねらいうち
)
したりしなり。
僥倖
(
さいわい
)
に鏡を見る時、後に
近接
(
ちかづく
)
曲者映りて、さてはと用心したればこそ身を全うし得たるなれ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
内障眼
(
そこひ
)
のようだが、此処で逢ったは
僥倖
(
さいわい
)
、此奴があっては枕を高く寐ることは出来んから、此処で討果してしまえば丈助も
此方
(
こっち
)
も
安々
(
やす/\
)
と眠られる、幸いのことだと思い、雪は益々降出し
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
聞えないで
僥倖
(
さいわい
)
。ちょっとでも生徒の耳に入ろうものなら、壁を
打抜
(
ぶちぬ
)
く騒動だろう。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新「アヽ何処から飛んで来たか鉄砲の
流丸
(
それだま
)
、お蔭で己は助かったが猟師が兎でも打とうと思って
弾丸
(
たま
)
が
反
(
そ
)
れたか、アヽ
僥倖
(
さいわい
)
命強
(
いのちづよ
)
かった、危ない処を
遁
(
のが
)
れた、
誰
(
たれ
)
が鉄砲を打ったか有難いことだ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
僥倖
(
さいわい
)
そこでも
乗客
(
のりて
)
が込んだ、人蔭になって、
眩
(
まばゆ
)
い大目玉の光から、顔を
躱
(
か
)
わして
免
(
まぬか
)
れていたは可いが、さて、神楽坂で下りて、見附の橋を、今夜に限って、高い処のように、危っかしく渡ると
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
むしろ
僥倖
(
さいわい
)
だったのである。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“僥倖”の意味
《名詞》
偶然の幸運。思いがけない幸せ。
(出典:Wiktionary)
僥
漢検1級
部首:⼈
14画
倖
漢検準1級
部首:⼈
10画
“僥倖”で始まる語句
僥倖児
僥倖党
僥倖当
僥倖者