何条なんじょう)” の例文
旧字:何條
「いや、おそらくは、御主君には、ほかに深いお考えあってのことだろう。何条なんじょう易々いいとして、信雄卿と秀吉の野合やごうを御承諾あるものか」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし何返考え直しても、何条なんじょうの径路をとって進もうとも、ついに「何が何だか分らなくなる」だけはたしかである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大喝一声だいかついっせい、怪塔王の膝頭ひざがしらは、帆村の下腹をひどいいきおいでつきあげました。腹の皮がやぶれたろうと思ったくらいです。何条なんじょうもってたまりましょう。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
肥満の万兵衛何条なんじょうもってたまるべき! おのが重体おもみを上身に受けて欄干ごし、ドドドッ! と二、三度ひさしにもんどりうったと見るや、頭部から先にズデンドウ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
わりゃ辞儀一つ知らねえ奴の、何条なんじょういうて俺らがには来くさらぬ。帳場さんのう知らしてくさずば、いつまでも知んようもねえだった。先ずもって小屋さ行ぐべし」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「日は予定のなかばをこえているのに、工事はまだ三分の一も進みませぬ。何条なんじょう、あとわずかな日数で総工事が成りましょう」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
右手でレモナーデのコップをとりあげて一息に飲み下したのだから、何条なんじょうたまりましょう。たちまち青酸瓦斯が体内に発生して一分と出でぬ間に急死してしまったのです。
赤耀館事件の真相 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何条なんじょう、その知己にそむくべき——である。秀吉は、九鬼家の案内に従って、その夕方、大坂の川口から船に乗った。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いやいや何条なんじょう、李傕や、郭汜がこんな所に出現しましょう。察するところ、李楽がいつわって、襲うて来たにちがいありません。——徐晃じょこう徐晃、徐晃やある」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ば見せしよな。何条なんじょう、再びその手に乗ろうか。そこうごくな、引ッとらえて火あぶりの極刑に処してくれん
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何条なんじょう、異存など。——弟直義への、お咎めだに晴るるならば」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何条なんじょう、正成一個のとぼしい智略や力などでありましょうや
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何条なんじょう、さような」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)