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伊井蓉峰
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いいようほう
ふりがな文庫
“
伊井蓉峰
(
いいようほう
)” の例文
当時奥山の住人というと奇人ばかりで、今立派な共同便所のある処
辺
(
あたり
)
に、
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
のお父さんの、例のヘベライといった
北庭筑波
(
きたにわつくば
)
がいました。
諸国の玩具:――浅草奥山の草分――
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
秀造さんは私の
老母
(
はは
)
にいわせると、
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
の顔を、もっと優しく——優しくの意味は美男を鼻にかけない——
柔和
(
にゅうわ
)
にしたようなと言っている。
旧聞日本橋:16 最初の外国保険詐欺
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
の弟子に石井
孝三郎
(
こうさぶろう
)
と云う
女形
(
おやま
)
があった。絵が好きで
清方
(
きよかた
)
の弟子になっていた。あまり好い男と云うでもないがどことなく味のある顔をしていた。
唖娘
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
続いて
錦城斎典山
(
きんじょうさいてんざん
)
の顔が見えたり、
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
、
福島清
(
ふくしまきよし
)
、
花柳章太郎
(
はなやぎしょうたろう
)
などの姿が、幹事室の前に現れたりした。
友人一家の死
(新字新仮名)
/
松崎天民
(著)
新俳優
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
小島文衛
(
こじまふみえ
)
の一座
市村座
(
いちむらざ
)
にて
近松
(
ちかまつ
)
が『
寿門松
(
ねびきのかどまつ
)
』を一番目に鴎外先生の詩劇『
両浦島
(
ふたりうらしま
)
』を
中幕
(
なかまく
)
に紅葉山人が『
夏小袖
(
なつこそで
)
』を
大喜利
(
おおぎり
)
に据ゑたる事あり。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
その翌年の二月、
條野採菊
(
じょうのさいぎく
)
翁が
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
君に頼まれて「
茲江戸子
(
ここがえどっこ
)
」という六幕物を書くことになった。故
榎本武揚
(
えのもとたけあき
)
子爵の
五稜郭
(
ごりょうかく
)
戦争を
主題
(
テーマ
)
にしたものである。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お定さんもまた沢村伝次郎の、それから
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
の
贔屓
(
ひいき
)
であった。髪を結いながら、そんな話ばかりしていた。伊井の背がもう何寸か高ければ申分ないのだがというようなことを云っていた。
生い立ちの記
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
一人は
丁字
(
ちょうじ
)
屋の小照といい、一人は浜田屋の
奴
(
やっこ
)
だと聞いていた。小照は後に
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
の細君となったお
貞
(
てい
)
さんで、奴は川上のお
貞
(
さだ
)
さんであった。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
公園裏の宮戸座は明治三十年頃に新しく出来た芝居で、初は
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
一座が掛っていたと思う。大正の初頃には旧派に代って源之助
翫五郎
(
がんごろう
)
鬼丸
秀調
(
しゅうちょう
)
などが掛っていた。
浅草むかしばなし
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
の新派一座が
中洲
(
なかず
)
の
真砂座
(
まさござ
)
で日露戦争の狂言を上演、曾我兄弟が苦力に姿をやつして満洲の戦地へ乗り込み、父の
仇
(
かたき
)
の露国将校を討ち取るという筋であったそうで
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それから次には
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
の
親父
(
おやじ
)
さんのヘヾライさん。まるで
毛唐人
(
けとうじん
)
のような名前ですが、それでも江戸ッ子です。何故ヘヾライと名を附けたかというと、これにはなかなか由来があります。
寺内の奇人団
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
や、河合武雄や、喜多村緑郎や、そのほかにも幾多の功労者のあることは争われない事実であるが、なんといっても川上音二郎を第一の元勲に推さなければならない。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
明治廿四年浅草公園裏の
吾妻
(
あづま
)
座(後の宮戸座)で、
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
をはじめ男女合同学生演劇済美館の旗上げをした時、
芳町
(
よしちょう
)
の芸妓
米八
(
よねはち
)
には
千歳米波
(
ちとせべいは
)
と名乗らせた時分だったか、もすこし
後
(
あと
)
で
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そうして更に彼らに対抗すべく理想的の新劇団を組織しようと考えた。その尽力と後援とによって成立したのが、
済美団
(
せいびだん
)
という一座で、
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
がこの時初めて舞台の人となったのである。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
高田はそれで売出したのである。水野好美や
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
も加入していた。戦争の場では、実弾に擬した
南京
(
ナンキン
)
花火をぱちぱち飛ばして、しきりに観客を
脅
(
おびや
)
かしたりして、この興行は大成功であった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
伊
漢検準1級
部首:⼈
6画
井
常用漢字
小4
部首:⼆
4画
蓉
漢検準1級
部首:⾋
13画
峰
常用漢字
中学
部首:⼭
10画
“伊井”で始まる語句
伊井
伊井法子