ほんの)” の例文
そこはまだ、ほんのあかるい、白っぽい番小屋の、あおつッと切って、根岸の宵の、蛍のような水々みずみずしたあかりの中へ消込きえこんだ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ほんのりと暗い中空なかぞらには、弱々しい星影が七つ八つ、青びれて瞬いてゐた。月は星を呑んで次第/\に高く上る。町からはモウ太鼓の響が聞え出した。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
赫々かっかくと照っていた日の光りが少し蔭ると、天地がほんのりと暗くなって、何処いずくともなく冷たい、かんばしい風が吹いて来る。
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
淡く ほんのけてゐるやうだ。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
う云つたが、男の顏を見る事は出來なかつた。俯向うつむいた顏はほんのりと紅かつた。急いで洋燈ランプを明るくする。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
う云つたが、男の顔を見る事は出来なかつた。俯向うつむいた顔はほんのりと紅かつた。急いで洋燈を明るくする。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
乘合の人々からジロ/\顏を見られるので、ほんのりと上氣してゐた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
乗合の人々からジロ/\顔を見られるので、ほんのりと上気してゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)