乳飲ちの)” の例文
そのくもには、おかあさんがすわって、仕事しごとをしていました。また、ほかの一つのくもには、乳飲ちのをおぶったおんなこじきが、のっていました。
空にわく金色の雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
老いたる父母、今からは親のない幼き者たち、乳飲ちのみを抱いている白き面の妻、その甥、その叔父、その姪など、無数の縁者を、きょうの法筵ほうえんに見た。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕が、あたまが重いので、散歩でもしようと玄関を出ると、向うから、車の上に乳飲ちのを抱いて妻がやって来た。顔のせが目に立って、色が真ッ青だ。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
吐き出すようにこう云ったのは乳飲ちのみ子を膝へかかえ上げ、胸もとをひろげて乳房を出し、それを含ませている二十八、九の、痩せさらばえた女乞食であった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
まだ、このが、まったく乳飲ちののときから、いたり、おぶったり、かせるとき、うたったうたであります。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、ちょうど門口かどぐち乳飲ちのをおぶったおんなこじきがって、無心むしんをねがったのでした。
空にわく金色の雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりとも、あまりとしがいっていませんのに、もうなかはたらいて、まずしい一家いっかのために生活せいかつたすけをしなければならないのです。母親ははおやは、乳飲ちのいてやすんでいました。
ある夜の星たちの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)