トップ
>
乞食坊主
>
こじきぼうず
ふりがな文庫
“
乞食坊主
(
こじきぼうず
)” の例文
「
只今
(
ただいま
)
ご門の前へ
乞食坊主
(
こじきぼうず
)
がまいりまして、ご主人にお目にかかりたいと申しますがいかがいたしましょう」と言った。
寒山拾得
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
明和九年の行人坂の火事には南西風に乗じて江戸を縦に焼き抜くために最好適地と考えられる目黒の一地点に
乞食坊主
(
こじきぼうず
)
の
真秀
(
しんしゅう
)
が放火したのである。
函館の大火について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「ええ、
多寡
(
たか
)
の知れた
乞食坊主
(
こじきぼうず
)
のひとりぐらいに、この
狼狽
(
ろうばい
)
はなにごとだ、取りかこんで、からめ
捕
(
と
)
ってしまえッ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時々は
乞食坊主
(
こじきぼうず
)
の便利にも供せられたか知らぬが、一方にはそれが私たちの身の行いを、知らず
識
(
し
)
らずのうちにどの位、引き締めていたか知れぬのである。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
話が伝わり伝わって、その村へ来ていた、
乞食坊主
(
こじきぼうず
)
の耳へはいった時、坊主は、貉の唄を歌う理由を、仔細らしく説明した。——仏説に
転生輪廻
(
てんじょうりんね
)
と云う事がある。
貉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
厭
(
いや
)
な、気味の悪い
乞食坊主
(
こじきぼうず
)
が、村へ流れ込んだと思ったので、そう思うと同時に、ばたばたと納戸へ入って、
箪笥
(
たんす
)
の
傍
(
そば
)
なる暗い隅へ、横ざまに
片膝
(
かたひざ
)
つくと、
忙
(
せわ
)
しく、しかし、
殆
(
ほと
)
んど無意識に
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一度などは、都を離れた遠い
野末
(
のずえ
)
に行き倒れていたのを捜し出されたとやらで、戻った時の姿を見ると、髪は乱れ、衣は破れ、手足は泥にまみれて、
乞食坊主
(
こじきぼうず
)
のようになっていた。乳人は
呆
(
あき
)
れて
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この
乞食坊主
(
こじきぼうず
)
め。(親鸞を押す)
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
乞食坊主
(
こじきぼうず
)
に類した一人の俳人
芭蕉
(
ばしょう
)
は、たったかな十七文字の中に、不可思議な自然と人間との交感に関する驚くべき実験の結果と、それによって得られた「発見」を叙述しているのである。
科学と文学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「おや、この
乞食坊主
(
こじきぼうず
)
め、よくも
生意気
(
なまいき
)
な手だしをしやがったな!」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乞
常用漢字
中学
部首:⼄
3画
食
常用漢字
小2
部首:⾷
9画
坊
常用漢字
中学
部首:⼟
7画
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
“乞食”で始まる語句
乞食
乞食娘
乞食体
乞食女
乞食者
乞食部落
乞食爺
乞食者詠
乞食兒
乞食男