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乞丐
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こじき
ふりがな文庫
“
乞丐
(
こじき
)” の例文
富有な旦那の
冥利
(
みょうり
)
として他人の書画会のためには千円からの金を棄てても自分は
乞丐
(
こじき
)
画師の仲間となるのを
甘
(
あまん
)
じなかったのであろう。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
その世に称揚された美人好男いずれも千載一洗せぬ
乞丐
(
こじき
)
的の人物だった由ミシュレーが言った——日本に調香の知識が開けたは
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
またいろいろなビラの下つた活動寫眞の横町から兩足のない
乞丐
(
こじき
)
が兩手をついてのそりと出て來たことを覺えてゐる。
三十三の死
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
すると、今までトルストイの手元ばかり見詰めてゐた
乞丐
(
こじき
)
は、
吃驚
(
びつくり
)
して
跛足
(
びつこ
)
をひきひき、宿無し
狗
(
いぬ
)
のやうに直ぐ前の
歴山
(
アレキサンダー
)
公園の
樹蔭
(
こかげ
)
に逃げ込んでしまつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
圭一郎は世の人々の同情にすがつて手を差伸べて日々の糧を求める
乞丐
(
こじき
)
のやうに、毎日々々、あちこちの知名の文士を訪ねて膝を地に折つて談話を哀願した。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
▼ もっと見る
土が残って居る。来年がある。昨日富豪となり
明日
(
あす
)
乞丐
(
こじき
)
となる
市井
(
しせい
)
の
投機児
(
とうきじ
)
をして勝手に
翻筋斗
(
とんぼ
)
をきらしめよ。彼愚なる官人をして学者をして随意に威張らしめよ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
或日商人某が柳原の通をゆくと一人の
乞丐
(
こじき
)
が
薦
(
こも
)
の中に隠れて煙草を喫んでいるのを
瞥見
(
べっけん
)
して、この禁煙令はいまに破れると
見越
(
みこし
)
をつけて煙管を買占めたという実話がある。
三筋町界隈
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
(ははあ、
乞丐
(
こじき
)
をして歩く道士だな——李はこう思った。)瘠せた膝を、両腕で抱くようにして、その膝の上へ、
髯
(
ひげ
)
の長い
頤
(
あご
)
をのせている。眼は開いているが、どこを見ているのかわからない。
仙人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
(金鍔指すか薦被るかというは大名となるか
乞丐
(
こじき
)
となるかという意味の名古屋附近に行われる諺。)
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
あはよくば、それは奇蹟的にでも闇に咲く女の中にさうした者を探し當てようとあちこちの魔窟を毎夜のやうにほつつき歩いたこともあつた、
縱令
(
よし
)
、
乞丐
(
こじき
)
の子であつても
介意
(
かま
)
ふまい。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
トルストイは直ぐ眼の前に、
跛足
(
びつこ
)
の
乞丐
(
こじき
)
が立つてゐるのを見た。施し物をしようとして、彼がポケツトに手を
突込
(
つきこ
)
むだ一刹那、要塞のなかから重い靴音を引摺りながら一
人
(
にん
)
の番兵が顔を出した。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
俺は
爰
(
こゝ
)
から十町離れた
乞丐
(
こじき
)
横町の裏屋の路次の奥の
塵溜
(
ごみため
)
の
傍
(
わき
)
で生れたのだ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
“乞丐”の意味
《名詞》
乞丐(こつがい、時に「こじき」等に当てる)
物乞いすること、又はその人の漢語表現、乞食、かったい。きっかい。
(出典:Wiktionary)
乞
常用漢字
中学
部首:⼄
3画
丐
漢検1級
部首:⼀
4画
“乞丐”で始まる語句
乞丐頭
乞丐頭長屋
乞丐制