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世繼
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よつぎ
微賤の一
僧侶吉宗ぬしの
落胤と稱し
政府に
迫る事急にして其
證跡も明かなれば天下の
有司彼に
魅入られ既にお
世繼と
仰がんと爲たりしを
結びて
懷姙なしゝ一子なるが
民間に成長して後
未見の
父君將軍と成しかば證據
物を
携へて訴へ出たるなればよしお
世繼とせざるまでも
登用てもて
生涯を
持程の
損はなし夫故我は妻をも持ず
世繼には人が
骨を
折て
養育した子を
貰へば
持參金も何程か
附なり
縱令放蕩を仕たればとて無した金は持參金より
引去離縁さへすれば
跡腹を