世々よよ)” の例文
武田家たけだけからは、世々よよ、あつき社領しゃりょうをたまわり、亡家ぼうかののちも、けっしておろそかには思いませぬものを、なんとも面目めんぼくない大失態だいしったい
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
徳川の儒臣林大学頭はやしだいがくのかみは、世々よよ大学頭にして、その身分は、老中ろうじゅう、若年寄の次にして旗下の上席なれども、徳川の施政上に釐毫りごうの権力を持たず、あるいは国家の大事にあたりては
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
曼公が周防国すおうのくに岩国いわくにに足を留めていた時、池田嵩山すうざんというものが治痘の法を受けた。嵩山は吉川きっかわ家の医官で、名を正直せいちょくという。先祖せんそ蒲冠者かばのかんじゃ範頼のりよりから出て、世々よよ出雲いずもにおり、生田いくた氏を称した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼は出でて吉田氏をぐ、吉田氏は、世々よよ山鹿流の兵家にして、韜鈐とうけんは則ち彼の家学なり。蛇は一寸にして人を呑むの気象あり。如何に当今の時勢は、この英発秀鋭なる小童の眼孔に影じたるよ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
世々よよありき、人は興り、地に満ち満ちき。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まさ世々よよ 三に遊ぶべし
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もって、日本の正しいすがたを、昭々しょうしょうと千古にのこし伝え、後々のちのち億兆おくちょうの臣民が、世々よよの文化の推移にも、国系国体の大本たいほんに惑ったり見失ったりすることのないような、史林しりんの源泉をつくっておく。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
光圀一代で成らねば、わが水藩すいはんの業として、世々よよ累代るいだいにわたっても
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世々よよもの
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)