丑刻やつどき)” の例文
立去り我が家へ歸りかみいのりしこともむだとも成しとて夫より只管ひたすら菩提ぼだいとふらはんと思ひはなを供へ香をたいて只々一途に後生を願うてゐる所に其夜丑刻やつどき頃と思ふ折しも表の戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それはもう眞夜中過ぎの丑刻やつどき近い頃です。
もよくやう育しけるが米屋市郎左衞門が伯母をばの殺されたる霜月しもつき十七日の夜麻布邊へきやく乘行のせゆきおほいにおそくなりて丑刻やつどきごろ福井町の我が家へ歸り來るに誰やらん天水桶てんすゐをけにて物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
貸呉かしくれやう申に付旅籠屋はたごやあらずとことわりしところ其後は音もつかまつらず候故何方へか參りしやと存じやすみ候に丑刻やつどき過頃すぎごろしのび入金子五百兩盜み迯出にげいづる時家内の者目をさま追駈おつかけ候へども此僧足早に迯去にげさり候を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)