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丑刻
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やつどき
立去り我が家へ歸り
神へ
祈りしことも
贅とも成しとて夫より
只管菩提を
吊らはんと思ひ
樒を供へ香を
燒て只々一途に後生を願うて
居所に其夜
丑刻頃と思ふ折しも表の戸を
それはもう眞夜中過ぎの
丑刻近い頃です。
もよく
養育しけるが米屋市郎左衞門が
伯母の殺されたる
霜月十七日の夜麻布邊へ
客を
乘行大いに
遲くなりて
丑刻ごろ福井町の我が家へ歸り來るに誰やらん
天水桶にて物を
貸呉候
樣申に付
旅籠屋に
非ずと
斷りし
處其後は音も
仕つらず候故何方へか參りしやと存じ
休み候に
夜丑刻過頃忍び入金子五百兩盜み
迯出る時家内の者目を
覺し
追駈候へども此僧足早に
迯去り候を