不随ふずい)” の例文
旧字:不隨
父はおぬいの十二の時に脊髄結核せきずいけっかくにかかって、しまいには半身不随ふずいになったので、床にばかりついていた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その家の軒には「おめかし処」と父の筆で書いた行灯あんどんが掛っていたのだが、二三年前から婆さんの右の手が不随ふずいになってしまったので、髪結いもよしてしまったらしい。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
人目ひとめけるために、わざと蓙巻ござまきふかれた医者駕籠いしゃかごせて、男衆おとこしゅう弟子でし二人ふたりだけが付添つきそったまま、菊之丞きくのじょう不随ふずいからだは、その午近ひるちかくに、石町こくちょう住居すまいはこばれてった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
半身不随ふずいという病気が、まだ年からいえば若いいねの上にのしかかってきたことは、何といっても永年の過労の上に、晩年実枝を生んだことなどが病気の時期を早めたものにちがいない。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)