“下掻”の読み方と例文
読み方割合
したがい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしまばゆかったろう、下掻したがいを引いてをずらした、かべ中央なかばに柱がもと、肩にびた日をけて、朝顔はらりと咲きかわりぬ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
空にふらふらとなり、しなしなとして、按摩の手のうちに糸の乱るるがごとくもつれて、えんなまめかしい上掻うわがい下掻したがい、ただ卍巴まんじともえに降る雪の中をさかし歩行あるく風情になる。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その野分のわきに、衣紋えもんが崩れて、つまが乱れた。旦那の頭は下掻したがいの褄を裂いたていに、紅入友染べにいりゆうぜんの、膝の長襦袢ながじゅばんにのめずって、靴足袋をぬいと二ツ、仕切を空へ突出したと思え。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)