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下劣
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げれつ
ふりがな文庫
“
下劣
(
げれつ
)” の例文
「
不可
(
いか
)
ん、
不可
(
いか
)
ん、
下劣
(
げれつ
)
の
極
(
きよく
)
だ」と先生が
忽
(
たちま
)
ち
苦
(
にが
)
い顔をした。その云ひ方が
如何
(
いか
)
にも下劣らしいので、三四郎と美禰子は一度に笑ひ
出
(
だ
)
した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ぼくは
下劣
(
げれつ
)
に
流布
(
るふ
)
されているぼく達の交友が、ここでもストイックの彼に、
誤解
(
ごかい
)
されてはと「実は変にとられたら困るけれど」と前置きすれば
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
巌の
憤怒
(
ふんぬ
)
は絶頂に達した、およそ学生の喧嘩は双方木剣をもって戦うことを第一とし、格闘を第二とする、
刀刃
(
とうじん
)
や銃器をもってすることは
下劣
(
げれつ
)
であり
醜悪
(
しゅうあく
)
であり
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
それはともかく、そのとき春吉君は、藤井先生が、このかたいなかの、学問のできない、
下劣
(
げれつ
)
で
野卑
(
やひ
)
な生徒たちに、しごく適した先生になられたことを感じたのである。
屁
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
實際彼女の氣に
障
(
さは
)
つたらしかつた。私は彼女の眼には、おませな役者に見えたのだった。彼女は、私を毒々しい激情と
下劣
(
げれつ
)
な精神と危險な僞瞞との混成物と見なしてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
かつまた人を
威
(
おど
)
して
克
(
か
)
つのは、みずから
恥
(
は
)
ずべき
下劣
(
げれつ
)
なる勝利である。また個人々々の一身上にとりても攻撃的態度をもって他人にせまる必要は、はなはだ少ないと思う。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
父はこうした外観で、その
下劣
(
げれつ
)
な人格や空っぽな頭やを
糊塗
(
こと
)
しようとしているのであった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
彼の耳には、お祖母さんの言葉がたまらなく
下劣
(
げれつ
)
にきこえ、その下劣さが、そのまま自分の行為の下劣さを説明しているということに気がついて、ひやりとするものを感じたのである。
次郎物語:03 第三部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
いたずらと罰はつきもんだ。罰があるからいたずらも心持ちよく出来る。いたずらだけで罰はご
免蒙
(
めんこうむ
)
るなんて
下劣
(
げれつ
)
な根性がどこの国に
流行
(
はや
)
ると思ってるんだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
不潔
(
ふけつ
)
な、
野卑
(
やひ
)
な、非文化的な、
下劣
(
げれつ
)
なものがいるということを、都会ふうの、近代的な明るい藤井先生が、どうお考えになるかと思うと、まったく、いたたまらなかった。
屁
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
陰口
(
かげぐち
)
をいう者の人格の
下劣
(
げれつ
)
にして、
些
(
いささか
)
の
俸禄
(
ほうろく
)
のために心の独立を失い、口に言わんと欲することを
得
(
え
)
言わず、はなはだしきは心に思わんと欲することさえも、まったく思わず
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
考えてみると、道江の問題について、これまで自分のとって来た態度のすべては、要するにお
体裁
(
ていさい
)
であり、偽善であり、
下劣
(
げれつ
)
な自尊心の満足であり、
劣等感
(
れっとうかん
)
をごまかすための
虚勢
(
きょせい
)
でしかなかったのだ。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
根深い
下劣
(
げれつ
)
な聯想があなたの追憶の唯一の
糧
(
かて
)
となつてゐます。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
“下劣”の意味
《名詞》
下劣(げれつ)
人柄などが卑しく劣っていること。また、そのようなさま。下品。
(出典:Wiktionary)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
劣
常用漢字
中学
部首:⼒
6画
“下劣”で始まる語句
下劣漢
下劣詩魔