上河内かみこうち)” の例文
日本アルプスの中で景勝の地といえば、南北を通じて恐らく上河内かみこうち(上高地)に及ぶ所はありますまい。第一に道具立が揃っている。
日本アルプスの五仙境 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
眼下には上河内かみこうちの峡流が林の中を碧くねり、ところどころに白い洲に狭められて、碧水が白い泡を立てて流れている、風がさやさやと森を吹き抜いたかとおもうと
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
枝折しおり峠から北又の谷に下り込んだ石滝橋の附近から西望すると、宛として上河内かみこうちの渓谷から眉に迫る大山岳を瞻仰せんぎょうするの観がある。
利根川水源地の山々 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
曾て私は上河内かみこうち峡谷を高原として取扱った人のあったことを覚えているが、私は多くの美しい高原が高山の下を流れる谷に沿うて展開している為に
高原 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
井戸沢やほらノカイの方面は、針葉樹で凄いように暗いが、南方は遠く開けて眺望が好い。南アルプスが駒、朝与あさよからひじり上河内かみこうちざるに至るまで一目に見られる。
秩父の奥山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
(四)沢の名を冠するもの(赤石岳、荒川岳、ひじり岳、上河内かみこうち岳等其例頗る多い)、(五)雪にちなめるもの(白山、白峰しらね農鳥のうとり岳、じい岳、蝶ヶ岳、地紙じがみ山、三之字山等)
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
先ず槍ヶ岳へと志して島々しましまに行ったが、一人で登るのは熊が多いから危険であるといわれてついに断念したのは、今考えると実に遺憾で、せめて上河内かみこうちから穂高へ登るきであった。
北岳と朝日岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「ヤアさかんだな、オイ悪沢わるさわ悪沢、ひじり上河内かみこうち、アリャざるさ、ワッハッハッハッ」
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
やや深い偃松を掻き分けて草地に出ると、十五、六頭の鹿の群が飛び出して、上河内かみこうちの谷に向って草の斜面を一散に駆け下りて行った。また偃松の間に潜り込む。行手に一つの窪地があらわれた。
大井川奥山の話 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
これらのカールの在る位置は平均二千五百米乃至二千六百米であるという。其外有名な上河内かみこうち(上高地)の渓谷に入れば、氷河流に依って作られたことを証明された珍しいU字状の谷が見られる。
白馬岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)