“マントルピース”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
煖炉棚27.3%
煖炉前飾9.1%
暖炉前飾9.1%
暖炉台9.1%
暖炉棚9.1%
炉棚9.1%
煖爐棚9.1%
爐棚9.1%
飾棚9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
法水は疲れたような眼をして、しばらく考えていたが、ふと何と思ったか、広間サロン煖炉棚マントルピースに並んでいる、忘れな壺ポッツ・オブ・メモリーを持参するように命じた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
煖炉前飾マントルピースの上にある時計は腹が立つのを抑えることができず、ほんとうに見るも怖ろしいくらいに、十三をしきりに打ち続けたり、振子を跳ね廻しのたうち廻したりした。
鐘塔の悪魔 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
煖炉前飾マントルピースは広くて高く、表に時計とキャベツとが彫ってあるばかりではなく、中央の上の方に大きくかちかち音をたてる本物の時計があり、両端には従者としてキャベツを植えた植木鉢がある。
鐘塔の悪魔 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
暖炉前飾マントルピースの真ん中辺のすぐ下のところにある真鍮しんちゅうの小さなツマミから、よごれた青いリボンでぶら下げてある、安ものの、見かけばかりのボール紙製の名刺差しにとまった。
「佐々木さんが、あなたのところらしつたでせう」と云つて例の白い歯をあらはした。女のうしろにはさきの蝋燭たて暖炉台マントルピースの左右に並んでゐる。きんで細工をした妙なかたちだいである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
コペンハーゲン市の山の手ニュールンベルグガーデはずれの、有名なゲンテフテの森に近い嬢の家へ行くと、応接間の暖炉棚マントルピースから右側の壁を埋めた、飾り戸棚の中一杯に、政府や個人会社等から贈られた
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「これは、どうも恐縮ですな。」と、いいながら受け取って、炉棚マントルピースの大理石の上に、人形でも横たえるように、大事に花束を置いた。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
加十は眉根に皺を寄せながら、粗雑な思考力を非常召集してあれこれと急がしく考え廻らしていたが、フト顔をあげて煖爐棚マントルピースの鏡の方に眼を向けると、思わずアッと感嘆の声を発した。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
爐棚マントルピースの上の飾物かざりもの、ジョオヂ三世や、プリンス・オブ・ウエィルスの肖像を入れた石版刷せきばんずりの畫、ウルフ大將の臨終の摸寫などがある。
長椅子の横に、粗石あらいしを積み上げた大きな壁煖炉シュミネがあり、飾棚マントルピースの上には、日暦カレンダーや、目覚し時計や、琥珀貝こはくがいでつくった帆前船ほまえせんなどがのっている。