“シキ”のいろいろな漢字の書き方と例文

ひらがな：しき

語句	割合
石城	21.4%
頻	21.4%
磯城	21.4%
四季	7.1%
士気	7.1%
根柢	7.1%
為着	7.1%
職	7.1%

石城

今では、宮廷より外には、石城（シキ）を完全にとり𢌞した豪族の家などは、よく／＼の地方でない限りは、見つからなくなつて居る筈なのである。

死者の書 (旧字旧仮名) ／ 折口信夫(著)

頻

山風は頻（シキ）りに、吹きおろす。枝・木の葉の相軋（アヒヒシ）めく音が、やむ間なく聞える。だが其も暫らくで、山は元のひつそとしたけしきに還る。

死者の書 (新字旧仮名) ／ 折口信夫(著)

磯城

四五十年あとまでは、唯（タダ）関と言ふばかりで、何の標（シルシ）もなかつた。其（ソレ）があの、近江の滋賀の宮に馴染み深かつた、其よ。大和では、磯城（シキ）の訳語田（ヲサダ）の御館（ミタチ）に居られたお方。

死者の書 (新字旧仮名) ／ 折口信夫(著)

四季

奈良ではこれを四季（シキ）ザクラと呼んでいる。

植物一日一題 (新字新仮名) ／ 牧野富太郎(著)

士気

顕家の若い眉と共に全軍は“士気（シキ）天（テン）ニ冲（チユウ）ス”の概（がい）だった。ゆらい、中央の官軍はいたずらに官爵（かんしゃく）を誇って老いやすかったが、みちのくの官軍は若かった。

私本太平記：13 黒白帖 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)

根柢

社交道徳なんていうものとは根柢（シキ）が違うんだ。

超人鬚野博士 (新字新仮名) ／ 夢野久作(著)

為着

此を衣配（キヌクバ）りというた。此が近世まで続いて、武家時代になつても、召し使ひに為着（シキ）せを呉れるといふ習慣があつた。

大嘗祭の本義 (新字旧仮名) ／ 折口信夫(著)

職

故殿のおほん服の頃、六月三十日の御祓へといふ事に、いでさせ給ふべきを、職（シキ）の御曹司は、方（カタ）あしとて、官のつかさの朝所（アイタンドコロ）に渡らせ給へり。

日本文学の発生：――その基礎論―― (新字旧仮名) ／ 折口信夫(著)