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むぢう
坊主は
居ねえか、
無住だな。
甚く
荒果てたもんぢやねえか。
蜘蛛の
奴めも、
殿樣の
方には
遠慮したと
見えて、
御家來の
顏へ
辵を
掛けやがつた。なあ、これ、
御家來と
云へば
此方人等だ。
無住にも
爲て置れず我思ふには年こそ
行ねど寶澤は七歳の時より感應院が
手元にて
修行せし者なり
殊には外の子供と
違ひ
發明なる
性質にて
法印の
眞似事は
最早差支なし我等始め村中が
世話してやらば
相續として
差支へなし
然すれば
先住感應院に於ても
嘸かし
草葉の
蔭より喜び申すべし此儀如何と
述ければ
名主どのゝ云るゝ事なり寶澤は