“みぞおち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鳩尾87.9%
心窩3.4%
水月3.4%
水落1.7%
鳩尾骨1.7%
鳩骨1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兄の岩太郎は、顔や胸を泥に穢したまま鳩尾みぞおちをフイゴのようにふくらしたりへこめたりしながら、係長がはいって行くから睨みつづけていた。
坑鬼 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
階段の踏石ふみいししりに冷たく、二人は近来まれな空腹を感じる。欠伸あくびをしたり、心窩みぞおち握拳にぎりこぶしで叩いたりして、その激しさを訴える。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
おせいは水月みぞおちに切りこむようにこみ上げてくる痛みを、帯の間に手をさしこんでじっと押えた。父はおせいのあまりに思い入った様子に思わずためらって、しばらくは言葉をつぐこともできなかった。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
自分ですら声を出して泣いてみたいような衝動をつき返しつき返し水落みぞおちの所に感じながら、火鉢の中を見入ったまま細かく震えていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
水落みぞおちのあたりをすっと氷の棒でも通るような心持ちがすると、のどの所はもう泣きかけていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
喜「ン畜生変な物を飲ましやアがって、横ッぱらえぐるように、鳩尾骨みぞおち穿ほじるような、ウヽ、あゝ痛え」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
四隣あたりに人無きを見済まして乙女の背後より追ひ縋り、足音を聞いて振り返る処を、抜く手を見せず袈裟掛けさがけに斬り倒ふし、衣服を剥ぎて胸をあらはし、小束こづか逆手さかでに持ちて鳩骨みぞおちを切り開き
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)