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まるやまがは
だから
學校を
怠けては
不可い、
從つて
教はつた
事を
忘れては
不可い、
但馬の
圓山川の
灌ぐのも、
越後の
信濃川の
灌ぐのも、
船ではおなじ
海である。
八千八谷を
流るゝ、
圓山川とともに、
八千八聲と
稱ふる
杜鵑は、ともに
此地の
名物である。それも
昨夜の
按摩が
話した。
其時、
口で
眞似たのが
此である。
緩い
流は
浮草の
帶を
解いた。
私の
手を
觸れなかつたのは、
濡れるのを
厭つたのでない、
波を
恐れたのでない。
圓山川の
膚に
觸れるのを
憚つたのであつた。