“まるおび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
丸帯42.9%
丸帶42.9%
全帯14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
向って左のかた真暗まっくらに茂れる深き古杉の樹立こだちの中より、青味の勝ちたるしま小袖こそで浅葱あさぎ半襟はんえり黒繻子くろじゅす丸帯まるおび、髪は丸髷まるまげびんやや乱れ、うつくしきおもかげやつれの色見ゆ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おとなは今のやうに丸帶まるおびははやらない、丸帶まるおびはよつぽど大よそゆき——つまり儀式ばつた時にばかり用ふるので、片側帶かたかはおびがあたりまへだつたから、腹合はらあはせの片側かたがはの上等品は、唐繻子たうじゆすだつた。
日本橋あたり (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
粲然ぱつとしたる紋御召のあはせ黒樗文絹くろちよろけん全帯まるおび華麗はなやかべにの入りたる友禅の帯揚おびあげして、びんおくれのかか耳際みみぎは掻上かきあぐる左の手首には、早蕨さわらび二筋ふたすぢ寄せてちようの宿れるかたしたる例の腕環のさはやかきらめわたりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)