“ほうがん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
判官55.9%
鳳眼32.4%
〽判官2.9%
宝玩2.9%
方頷2.9%
砲丸2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つまりこの地方の守護大名、佐々木佐渡ノ判官ほうがん高氏殿こそがその人なので……と、土岐左近は、一応の紹介の辞でもすましたような、したり顔で
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
智的な額、血色の良い——頗る黒々と陽焦けのした顏、鳳眼ほうがんで、唇が堅く結んで、如何にも好ましい青年武士です。
それはから狻猊さんげいか何かの、黄金色きんだの翠色みどりだのの美しくいろえ造られたものだった。畳に置かれた白々しろじろとした紙の上に、小さな宝玩ほうがんは其の貴い輝きを煥発かんぱつした。女は其前に平伏ひれふしていた。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あたかも方頷ほうがん無髯むぜんの巨漢が高い卓子テーブルの上から薄暗いランプを移して、今まで腰を掛けていたらしい黒塗の箱の上の蒲団ふとん跳退はねのけて代りに置く処だった。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
くだもの屋の溝板どぶいたの上にはほうり出した砲丸ほうがんのように残り西瓜すいかが青黒く積まれ、飾窓かざりまどの中には出初めのなし葡萄ぶどうが得意の席を占めている。ふとった女の子が床几しょうぎで絵本を見ていた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)