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びはだな
其の
夕刻は、
六文錢も、
八門遁甲も
何にもない。
座に、
煙草盆を
控へて、
私が
先づ
一人、
斜に
琵琶棚を
見込んで、ぽかんと
控へた。
青疊徒らに
廣くして、
大卓は、
浮島の
體である。
が、
四疊半でも
六疊でも、
琵琶棚つきの
廣間でも、そこは
仁體相應として、これに
調子がついて、
別嬪の
聲で
聞かうとすると、
三味線の
損料だけでもお
安くない。
白い
手の
指環の
税がかゝる。